多重債務を解決するために

多重債務の解決方法

消費者金融を利用している人は、全国で1,400万人いるそうです。
また、何ヶ所もの消費者ローンなどから借金をして、返済することが難しくなってしまっている「多重債務者」と呼ばれる人たちが、200万人以上いるそうです。
多重債務者の中には、厳しい取り立てなどによって、自殺にまで追い込まれてしまうケースも少なくなく、深刻な社会問題として注目されています。

多重債務を解決する方法は、「債務整理」といいます。
債務整理には、「任意整理」、「特定調停」、「民事再生」、そして最終手段として「自己破産」という4つの方法があります。
どの方法を選ぶかについては、借り入れの状況などによって事情が異なってきます。

「グレーゾーン」金利は、支払う義務はないので注意しましょう。
「利息制限法」では、利息の上限が決められており、元本100万円以上の場合は年15%で、10万円以上100万円未満は18%、10万円未満は20%までとなっています。
これを超えるような利息は無効となるので、支払う義務はないのです。
ただ、貸した側の請求や受取りに対しての罰則はありません。
一方で、「出資法」は、利息上限が29.2%と定められており、それ以上の融資には刑事罰があります。

この利息制限法と出資法との間の利息は、「グレーゾーン」と呼ばれています。
多くの消費者金融は、このグレーゾーン金利にあたる範囲で貸付をしています。
任意整理や特定調停などについては、利息制限法の上限金利に、金利を引き直して再計算することによって、債務の額を減らすことを図ります。

債務整理の比較

債務整理とは、法律によって、借金を整理する方法のことです。
法律的に借金を消滅させて、債務者の生活を再生させる方法が「自己破産」です。
利息制限法で制定された利息まで減らされた金額を、原則として3年間で毎月支払っていき、完済させるのが「任意整理」です。マイホームを持っている場合など、住宅を処分することなく、大幅に減額された金額を、原則3年間で月々支払っていくというのが「個人民事再生」です。

ただ、自分の借金の状況には、どの方法が最も有利なのか、はっきり判断できないと思います。
自己破産は、原則として、免責されることで、借金の全てがなくなります。
だから、どうしようもない多重債務生活に苦しんでいる人が、これからの生活を再生させるためには、経済的に最も大きなメリットのある手続きと言えます。
そのため、債務整理の手続きの際は、自己破産をまず検討して、その人にとって、自己破産におけるデメリットが不利となる場合には、それ以外の方法を検討することとなります。

自己破産をするには、現在の収入と財産では、将来的に、借金を返済していくことが、非常に難しい状況(支払不能)であることが必要になります。
支払不能かどうかは、どれだけ借金総額があるか、という決まった基準はなく、あくまでそれぞれの状況によって判定されます。
ただ、目安として、所得の中で自由に使うことができるお金である「可処分所得」を算出することで、自分が支払不能かどうかを判断することができます。

友人から相談されたら

仲の良い友人から、借金についての相談をされたら、あなたはどうしますか?
しかも、その目的が、お金を貸してもらいたい、という相談だったら。

そのような場合は、できれば友人の話を聞いてあげましょう。
ただ、友人がどのような状況にあるのか、話を聞くことが基本で、決して、お金を貸すか判断するための話し合いではないことを、忘れないでください。
だから、あなたに対して、お金がどうしても必要だ、と借りたいという願望をアピールされても、同情やこれからの関係を気にしてしまい、貸すかどうするかという考えはやめましょう。
それは、あなたにとっても、友人にとっても、良いことではありません。

お金を貸すということが、良いか悪いかは別として、お金を貸すことが人を助けること、とは必ずしも言えないということです。
だから、まずは友人の話をよく聞いてあげて、生活習慣を見直してみたり、節約の方法を教えてあげたりしてみてはどうですか?

そのようなアドバイスでは、現状から抜け出すことができないレベルであれば、法律の専門家に相談することを勧めてみましょう。

悪い状況にあったとしても、債務整理も考慮して行動することで、解決に近づくことができるはずです。
取り返しのつかないことになる前に、早く行動するようにアドバイスしましょう。
もし、消費者金融に関することで、知っている情報があるのなら、それを教えてあげてください。
あなたにできることは、お金を貸すことだけではないはずです。
大切な友人のためにも、できれば、少しでも多くの情報を調べてあげてください。

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